夏場は耳がかゆくなりませんか?
耳のかゆみで困っていませんか?
7月に入り、千歳市もだいぶ暑くなり夏本番ですね。
夏になると最近は北海道でもジメジメするような感じがします。
「耳のかゆみ」の相談に受診される患者さんは年間を通して多いですが、夏場に入ると相談が少し増えました。
暑くなり汗をかくようになると、耳の中が濡れてジメジメしてきます。
イヤホンなどを使っているとなおさらひどくなることがあります。
夏は耳の穴の中が高温多湿の環境になりやすく耳のかゆみを感じやすくなります。
今回は、耳のかゆみについて、解説をしていきます。
耳のかゆみの原因は
耳のかゆみの原因は、耳の穴の皮膚への過剰な刺激です。
例えば、綿棒や耳かきでの耳掃除、耳の中の湿潤・乾燥、耳垢がたまりすぎている、などがあげられます
耳の中の皮膚は薄く、ちょっとした刺激に弱い部位なので、かゆみや炎症が生じやすくなっています。
こういった刺激により耳の穴(=外耳道)に炎症が生じた状態を外耳炎といいます
外耳炎以外にも、アトピー性皮膚炎や、アレルギーによっても耳のかゆみは生じます。
耳のかゆみ、予防と対策
適切な耳そうじ
過剰な耳そうじはかゆみの原因になります。
例外もありますが、多くの人は基本的には定期的な耳そうじは不要です。
耳あかは基本的には耳の穴の比較的浅い部位でつくられ、自然と外側へ排出されていきます。
過度な耳そうじで皮膚に炎症が生じると、かえって外へ排出する動きを邪魔してしまったり、耳垢を奥に押し込んでしまう原因になります。
毎日耳かきをする、お風呂上がりに毎回綿棒で水分をとる、などの頻回に耳を触っている方はしばらくやめてみると耳のかゆみは改善するかもしれません。
耳そうじは原則不要、というのは基本的な話で、耳垢がたまりやすい方などで定期的に掃除が必要なこともあります。
適切な耳そうじの方法や頻度については、耳鼻咽喉科を受診して相談されるとよいと思います。
皮膚・アレルギーのケア
アトピー性皮膚炎や乾燥肌の方、アレルギー性鼻炎の方は、症状がひどいときは耳のかゆみを感じやすくなります。
かゆみ止めの薬の内服や、軟膏などのスキンケア、アレルギー性鼻炎治療などで耳も改善する可能性があります。
鼻炎は意外かもしれませんが、花粉症シーズンなどにアレルギー症状が強い時に目や耳も一緒にかゆくなる方が多くいらっしゃいます。
アレルギー体質の方は、アレルギー治療も重要となります。
耳の穴を長時間密閉しない
具体的には、イヤホンやヘッドホンを長期間装着しないようにすることです。
耳のかゆみの治療法
外用薬での治療
外用薬は軟膏など患部に直接塗ったりする薬です
かゆみに使う薬は大きく2つあります
・軟膏
ステロイドの軟膏を耳の中にも塗布することで、炎症をおさえつつ、保湿ができます。
耳そうじなどで荒れた皮膚を保護しつつ、かゆみを緩和させていきます。
一番手軽な方法ですが、耳の奥に塗ることが難しいことが欠点です。
・点耳薬
目薬のような形の液体状の薬で、耳の中に数滴の水薬を入れます。
耳の中に液体の薬を入れて5分ほど保持した後、薬はティッシュなどに出します。
炎症が強い場合は抗菌薬、かゆみや腫れが強い場合はステロイドを含有した製剤を使います。
耳の奥まで薬を到達させやすいことがメリットですが、使用がやや面倒くさいところがデメリットです。
内服薬
内服薬とは飲み薬のことです。
かゆみが強い場合には、かゆみ止めになる飲み薬を併用します。
また、細菌感染による炎症がつよい場合には抗生物質の飲み薬を使うことがあります。
強い痛みもあるときは痛み止めの薬を使うこともあります。
耳鼻科を受診すべきタイミングは?
耳のかゆみは、自己解決が難しいケースも多くあります。
耳そうじを毎日される方は、数日間は耳そうじをやめて耳を刺激しないようにしてください。
それでも改善しないケースは耳鼻科での相談が必要でしょう。
私見ですが、以下のような場合は耳鼻科の受診をお勧めします。
・耳そうじをやめても、耳のかゆみが強い
・耳のかゆみが慢性的に続いている(数か月~数年)
・強い痛みを伴っている
・耳だれ、汁が出てくる
・耳のつまり、きこえにくくなる
要するに、耳のかゆみが強い、長引く、かゆみ以外の症状がある、場合にはご相談いただきたいと思います。
耳そうじなどの耳のかゆみを起こす習慣のあるかたは、耳のかゆみが長期化したりぶり返しやすかったりします。
お悩みの方は耳鼻科を受診してみてください。
千歳周辺にお住いの方は、ぜひ松浦耳鼻咽喉科へお気軽にご相談ください。