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鼻のアレルギーで困っていませんか

[2023.10.14]

アレルギー性鼻炎について

皆さんは、”アレルギー性鼻炎”についてどれほどご存じでしょうか。
有病率は年々上昇をつづけ、国民病ともいえます。
当院の患者さんにも、アレルギー性鼻炎による鼻の症状についてお悩みの方が多いため、解説してみたいと思います。

当院では、アレルギー性鼻炎の診断や治療は”鼻アレルギー診療ガイドライン”というものを基本に診療をしています。

ガイドラインの内容と、私のこれまでの診療経験をもとに、アレルギー性鼻炎についてご紹介します。

アレルギー性鼻炎の定義と症状

アレルギー性鼻炎は、鼻のアレルギー性疾患で

・くしゃみ
・水のような鼻水
・はなづまり

上記が長引いたり、繰り返してしまうことがメインの症状としています。

アレルギー性疾患なので、アレルギー素因(アレルギーの持病・家族歴)をしばしばを持っています。
例えば、お子様の場合はご両親も鼻炎持ちであることが多いですね。

アレルギー性鼻炎の症状

くしゃみ・鼻水・はなづまりのほか、鼻のかゆみ、鼻水がのどに流れることで生じる痰がらみが出現したり、鼻づまりが強いとにおいや味がわかりにくくなることがあります。

また、お子様の場合は、鼻のかゆみのため鼻を強くこすったりほじったりすることで、鼻血がでやすくなることもしばしばみられます。

様々な症状があるのが特徴です。

アレルギー性鼻炎の原因

アレルギー性鼻炎を引き起こす原因としては、ダニやハウスダスト(ほこり)が問題になることが多いです。
近年、昔とくらべてダニやハウスダストのアレルギーの方が増加傾向です。


参考までに、耳鼻咽喉科医とその家族を対象とした全国調査でのデータを紹介します。

ダニやハウスダストが原因となる通年性アレルギー性鼻炎の有病率は1998年には18.7%に対して、約20年後の2019年には24.5%に上昇しています。

約4人に1人が通年性のアレルギー性鼻炎の計算です。
年齢別でみると、若者が特に有病率が高いです。

そのほかには、全国的にはスギなどの花粉が代表的です。
本州で問題になることが多いですが、千歳をはじめとして北海道にはスギが少ないため、道内でスギ花粉症でお困りの方は少ないはずです。

道内の場合は、5月ごろのシラカバ花粉症が問題になることがあります。

 

アレルギー性鼻炎の診断と治療

アレルギー性鼻炎の医師による診断

アレルギー性鼻炎は、一般的には、問診と鼻の中の観察などの診察の結果、臨床的にアレルギー性鼻炎と診断します。

厳密な診断をつけるにあたっては、問診・はなの中の所見・血液検査・鼻水の成分の検査などを用いて総合的に診断されます。

 

また、診断にあたっては、鼻風邪などの区別が重要となりますが、容易ではありません。

そこで、血液検査を行うと、アレルギー性鼻炎の診断に近づくことができます。

当院では、1回の採血でダニ・ハウスダスト・シラカバなどを含む39種類のアレルギーを調べる検査が可能です。

また、既にアレルギー性鼻炎とわかっている方でも、具体的な原因となる物質がわかると、症状の管理がしやすくなります。

一例でいうと、毎年シラカバ花粉症の方は春になったらあらかじめ薬をもらっておくと、症状が出たときにすぐに治療を開始できるようになります。

 

鼻の症状でお困りのかたは、ぜひご相談ください。

 

アレルギー性鼻炎の効果的な治療法

下記の治療が必要に応じて組み合わせて行われます。

①抗原除去・回避

②薬物療法

③アレルゲン免疫療法

④手術療法

 

①抗原の除去・回避
布団・じゅうたんの掃除機がけが重要です。
シーツやカバーなどは週2回以上の洗濯をおすすめします。
また、エアコンのフィルターも定期的に清掃しましょう。

ぬいぐるみなども、水洗いできるものは洗いましょう。

文章でみると簡単ですが、すべてを完全にこなすのは難しいですよね。
できる範囲から始めてみることが重要です。

 

 

②薬物療法

アレルギーをおさえるために、薬を使う治療です。

一般的に、飲み薬・点鼻薬(スプレーの薬)が使われます。

薬の種類は無数にありますが、

・抗ヒスタミン薬

・ロイコトリエン受容体拮抗薬

・点鼻噴霧ステロイド薬

上記の3種類が主力です。

症状に合わせて、組み合わせて治療をします。
たとえば、飲み薬1種類であまり改善がない場合は、点鼻薬を追加することで、上乗せの治療効果が期待できます。

現在、おくすりでの治療中でも、薬の追加や入れ替えで症状がよくなることもあります。
治療中で治りが悪い場合も遠慮なくご相談ください。

また、アレルギーを抑える薬で「眠くなる」「ぼーっとする」「口が乾く」などの副作用が出てしまう患者さんもいますが、
数年前から、眠くなる副作用を軽減した薬が新薬として登場しています。

眠くなって困る方は、おくすりの変更で副作用を軽減しつつ、症状を改善できる可能性がありますよ。

 

 

③アレルゲン免疫療法

アレルゲン免疫療法は、現在当院では行っていません。
ですが、アレルギー性鼻炎に非常に有効な治療なので、情報を共有させていただきます。

 

アレルゲン免疫療法は、ダニ・スギのアレルギーの方に対して行う治療で、ダニやスギのアレルギーを軽減させる治療です。

上記の抗ヒスタミン薬などの治療はアレルギー反応を抑える対症療法ですが、
アレルゲン免疫療法は、アレルギーそのものを改善させる、より根本的な治療に近い治療法です。

アレルゲン免疫療法は日本では舌下免疫療法を広く行われています。
ダニやスギのアレルギーの原因になる成分を製剤化した薬を、毎日・365日内服します。
これを3~5年間行います。
すると、ダニやスギのアレルギー反応が改善します。
アレルギーが完全になくなることまでは期待できませんが、重症の方にも有効で、症状を回復させたり、必要な薬を減らすことが期待できます。

3~5年の内服期間が終わったあとも効果は持続しますが、一時的です。
効果は永続的でないことに注意が必要です。

以下は私見ですが、

メリット

・根本的な治療に近い

・重症の場合にも症状改善が期待できる、薬を減らせる

・安全性が高い

デメリット

・長期間にわたり、毎日薬を飲む必要がある・通院が必要になる

・お子様の場合は薬の管理が長期的に必要

・稀だがアナフィラキシーなどの副作用がある

・効果が一時的である

 

アレルゲン免疫療法は、軽症~重症の患者さんに広く適用できる治療ですが、
個人的には、重症な患者さんによりメリットが感じられると思います。
軽症の患者さんも効果がありますが、症状がなくても内服が必要なところが、面倒に感じる方もいると思います。

なお、現時点で当院ではアレルゲン免疫療法は取り扱っていません。
治療内容のご質問やご相談は可能ですので、お気軽にご相談ください。

 

 

④手術療法

手術療法は、くすりでの治療で十分な効果が得られない場合に行われることが多いです。
手術によって症状を改善させられるアレルギー性疾患はまれで、アレルギー性鼻炎くらいだと思います。
喘息やアトピー性皮膚炎を治すために手術をすることはないですよね。

鼻詰まり・鼻水に対して下記の3つが広く行われます

・鼻中隔矯正術・・・鼻中隔(左右の鼻の穴を仕切る板)の湾曲により、鼻がつまる場合、曲がりを矯正する

・粘膜下下鼻甲介骨切除術・・・下鼻甲介という鼻の中にあるヒダを小さくして、鼻詰まりを改善させる

・後鼻神経切断術・・・鼻水の分泌にかかわる神経を切断し、鼻水を減らす。

いずれも安全性が高く、特別に難しい手術ではないため、広く行われています

当院では手術はできませんが、症状が薬をつかってもなかなか改善しない方は、ご相談ください。
手術のご希望がありましたら、手術のできる医療機関をご紹介します。

 

アレルギー性鼻炎と日常生活

アレルギー性鼻炎の症状管理

くしゃみと鼻水のコントロール方法・アレルギー性鼻炎とダニ、ハウスダストの対策

 

ホコリやダニの場合は上記のようにこまめな清掃が重要でした。

花粉症などの場合は、マスクやメガネの装用で、アレルギーの症状を軽減できます。

また、花粉症のシーズンは外で着た服は家に帰ったらすぐに着替えるようにすると良いです。

ですが、こういった心がけだけをしても鼻の症状でこまる場合には、薬を使いましょう。

 

薬は症状によって、何種類かを併用していきます。

内服・点鼻・漢方など様々な薬があり、患者さんそれぞれの症状や希望にあわせて調整します。

適切な症状管理は耳鼻咽喉科専門医へ相談しましょう。

 

アレルギー性鼻炎は管理と治療が大事

以上、アレルギー性鼻炎について気になるであろうところをお話しました。

長引く鼻の症状は、アレルギーの可能性があり、管理と治療が大事です。

薬も新薬の登場により、年々進歩しています。

お困りのことがあれば、些細なことでもご相談ください。

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