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冬に鼻水・鼻づまりが悪化するのはなぜ?

[2024.01.22]

冬に鼻水・鼻づまりが悪化するのはなぜ?

北海道の冬は厳しく、そして長いですよね。
耳鼻科には、この季節になると鼻の症状が悪化する、という患者さんが多く来られます。

寒くなると鼻の調子が悪くなる。
当事者からすると当たり前、毎年のことでも、なぜ寒くなると調子が悪くなりやすいのでしょうか。

今回は冬に悪化する鼻の症状について簡単にまとめてみたいと思います。

悪化する原因を、疾患ごとにいくつか上げてみると

かぜ・・・冬はかぜが増える季節
血管運動性鼻炎・・・またの名を「寒暖差アレルギー」ともいいます。寒暖差や乾燥刺激で鼻の調子が悪くなります。
アレルギー性鼻炎・・・冬に使用する、厚めの寝具・布団にはダニがつきやすく、アレルギーを悪化させます

代表的な3つを解説していきます。

冬は風邪を引きやすい季節

冬は風邪を引きやすい季節です
風邪を引くと鼻水・鼻詰まりなどの症状が出現します。
毎年冬に鼻風邪を引いていると、冬は鼻の調子が悪くなる季節、という印象になると思います。


冬は気温が低く、空気が乾燥します。
一般的に気温が低い環境のほうがウイルスは活発になります。
また、空気が乾燥していると咳などによる飛沫がより遠くまで達し、
鼻やのどの粘膜においては乾燥しているとウイルスを排除する能力が低下してしまうと言われています。

ウイルスにとって有利、人間にとっては不利なのが、冬の環境です。
毎年、インフルエンザが冬に流行するのもこの理由です。

風邪の場合は、下記の各種鼻炎と異なり、鼻水・鼻づまりの他に、のどの痛み・発熱・咳など、多彩な症状が出現します。
一般的な鼻炎薬は、風邪の鼻水には有効とは言えませんが、成人の場合は1週間程度では改善します。
対症療法を行いながら様子をみることがほとんどです。

有効な予防としては、マスク・手洗い・うがいの励行などです。

・血管運動性鼻炎・・・寒暖差アレルギー

 

血管運動性鼻炎は、聞き慣れない言葉だと思いますが、”寒暖差アレルギー”の俗称があり、ご存知の方もいるかと思います。

「温かい屋内から外にでると、鼻水が出る」というのが典型的な症状です。
鼻の中では、知覚神経が寒暖差や乾燥などの環境の変化を察知し、自律神経(交感神経・副交感神経)が反応し鼻汁を分泌します。
この際に、寒暖差などに対して過敏な反応が出ることにより、鼻水や鼻詰まりなどの症状が強く出るのが血管運動性鼻炎、寒暖差アレルギーです。

この鼻炎に対しては、根治的な治療方法はまだ確立されていません。
噴霧ステロイド薬(点鼻薬)が使われることがあります。

寒暖差刺激を緩和するために、屋内→外への移動時などはマスクを着用し、鼻内の気温変化をゆるやかにしてやるのも良いかと思います。

 

アレルギー性鼻炎


冬に使用する布団は厚いものが多く、ダニやハウスダスト(ホコリ)の付着も多くなります。
北海道の住居は断熱性が高く冬の間も暖かくしていることが多く、ダニにも有利な環境です。

布団に入ると鼻水・鼻詰まり・くしゃみが悪化する、といった症状はダニやハウスダストのアレルギー性鼻炎かもしれません。

アレルギー性鼻炎は飲み薬や点鼻薬で治療を行います。
予防には、布団乾燥や、まめなシーツ交換、掃除機がけをこころがけましょう。

 


また、当院では小児から成人までアレルギー検査が可能です。
アレルギー検査を希望の方は診察の際にお知らせください。

また、やったほうが良いか迷うという場合についても、ご相談いただければと思います。

 

鼻の症状が長引く場合は、耳鼻科を受診しましょう


以上、冬に悪化する鼻症状の原因について簡単にまとめました。

鼻症状の原因は、解説したものに限らず多岐にわたります。

毎年冬は鼻の調子が悪く、長引いてお困りの方は、どうぞお気軽にご相談ください。

 

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